事例のご紹介
事例1お子様のいない80代のご夫婦、財産相続で公正証書遺言を作成した事例
80代のご夫婦であるXさん(夫)とYさん(妻)はお子様がおらず、2人で生活されていましたが、Yさんの入院を機に自分達の財産の分け方について考え始めました。Xさん、Yさん共に兄弟は多いですが、既に亡くなっている兄弟もいましたし、何十年と連絡を取ってない兄弟もいました。
問題となるのは、遺言書をのこさないでどちらかがお亡くなりになってしまうと、のこされた方と亡くなった方の兄弟で遺産を分ける必要が出てきてしまうことです。何年も会ったことがない、もしくは1度もお会いしたことが無い人といきなり財産の話(しかも配偶者の財産について!)をすることの精神的なストレスはとても大きな負担となります。これは、遺産の多い少ないは関係ありません。
そこで解決策として、2人揃って公正証書遺言を作成することにしました。
まずどちらが先にお亡くなりになっても大丈夫なように、お互いに先に亡くなった方の財産を全て配偶者へ相続させることを明記しました。そして、後に亡くなった方はお互いに自分の仲の良い兄弟や甥姪に対して財産を相続させ、それとは別にお世話になった施設への寄付もするようにしました。そして2人で選んだ共同墓地への埋葬も信頼のおける親族に任せることで、安心して今後の生活を送って頂くことができています。
ポイント確実性を求めるなら公正証書遺言で
上記のようなケースでは遺言をのこさないと、兄弟全員と配偶者の方がお話合いをして、誰にどの財産を相続させるか決めて、最終的には遺産分割協議書という書類に全員が実印を捺印して頂く必要があります。全員が好意的で話合いもスムーズに行けばまだ良いですが、1人でも納得して頂けない場合、非常に解決が難しい問題を抱えることになってしまいます。そうならないために1番良い方法は遺言書をのこすことです。
家庭で自分が書いた遺言書を保管していらっしゃる方もいらっしゃると思います。しかし、遺言書を書いたことを誰にも伝えずに亡くなった場合、そもそもその遺言書を見つけられない可能性もありますし、他の書類と一緒に廃棄されてしまうこともあります。
公正証書遺言であれば、配偶者の方に内容を知らせること無く、遺言をのこすことが可能ですし、立会人として2人の人間が付きますので、例えば信頼のおけるご友人等に立ち会って頂くことにより、亡くなった後に公正証書遺言の存在をご家族に確実に知らせることができます。
また、遺言の中で遺言執行者として専門家等を指定しておくことにより、遺産の移行手続きもよりスムーズに行うことが可能です。